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東京の公証役場
離島(小笠原諸島)の公証相談

東京公証人会は、平成13年11月から、公証人がNPO法人司法過疎サポートネットワーク
「小笠原くらしの法律税金相談・法律教室」に参加するようになり、
平成16年度からは、会として組織的に公証人を小笠原諸島に派遣するようになり、
現在に至るまで、毎年、継続して、小笠原諸島において公証相談を実施しています。

令和5年7月の小笠原諸島における相談

令和5年7月13日(木)から同月14日(金)の間、第44回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室が開催されました。公証人2名のほか、参加した弁護士や税理士による、父島、母島のそれぞれの会場における法律・税務相談が中心ですが、それに併せて「くらしの法律税務教室」として、一般村民を対象に、本年10月1日より開始されるインボイス制度の説明会も行われました。
今回の相談件数は、
父島     23件
母島      1件(キャンセル1件)
その他個別相談 4件
内訳は、
①相続・遺言  9件
(公正証書遺言は現地で2通、相談を受け本土で1通の合計
3通作成しました。)
②離婚     1件
③任意後見   1件
④相続関係   3件
⑤会社関係   3件
⑥税金関係   6件
⑦その他    2件
でした。
小笠原諸島は、竹芝桟橋から片道24時間の定期船しか交通手段がない離島ではありますが、人口が3000人近くあり、父島には高校や高齢者の施設があります。
少ないながらも遺言、任意後見、離婚等の法的サービスの需要もある一方で、島内の士業者は土地家屋調査士1名しかおられません。そのような中で、長年にわたり法的サービスの提供に努めてこられた弁護士や税理士の方々には頭が下がる思いであります。
私達は、小笠原訪問は初めてであり、弁護士・税理士の方々に島内を案内していただき、島の実情を知ることができたとともに、天候が良かったこともあり小笠原諸島の美しさに感動することができました。
近時はこの相談会への参加希望者が多く、再度派遣されることは難しいとは思いますが、機会があればまた是非参加したいと思います。

千住公証役場公証人 髙木 和哉
板橋公証役場公証人 植村  誠

令和5年2月の小笠原諸島における相談

 令和5年2月5日(日)から同月10日(金)まで、第43回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室の一員として小笠原諸島に赴きました。父島では、父島地域福祉センターにおいて、無料法律相談会を実施し、母島では、小笠原村役場支所において法律税金相談会を実施しました。
 今回の相談会では、2日間で、両島合計17人18件の相談があり、そのうち相続・遺言が7件にのぼり、法的サービスのニーズは少なくはないと感じました。
 なお、父島においては、遺言公正証書を2件作成しました。
 小笠原への移動手段は片道約24時間を要する6日に一度の船便のみであり、島の人々にとっては、司法サービスはおろか、法律問題について専門家に相談し助言を受ける機会も限られています。長年にわたり小笠原において相談会を実施している方々の活動には頭が下がる思いであります。
 また、小笠原で開業している士業の方や、小笠原村商工会の職員の方からその活動を聞く機会も持て、理解も深まり大変有益でした。
 東京公証人会としても、引き続きこの相談会に参加していくべきであると感じました。

丸の内公証役場公証人 大野 重國

神田公証役場公証人  山田 知司

令和4年9月の小笠原諸島における相談

 令和4年9月21日から26日までの日程で、第42回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室が実施され、父島の地域福祉センターにおいて相談会を実施する父島班(弁護士2名、司法書士1名、税理士4名、公証人1名、ゲスト3名)と、小笠原村役場母島支所において相談会を実施する母島班(弁護士1名、税理士2名、公証人1名)の2班体制で行われました。
 今回は、新型コロナウイルス感染症の状況から、相談会のみにとどまり、法律教室が実施されなかったことは残念でした。
 父島では、養育費支払公正証書を1件作成した他、遺言公正証書作成等に関する相談1件、後見・事業承継に関する相談1件に直接携わりました。
 なお、同遺言公正証書については、令和5年2月に実施予定の第43回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室の際に作成することとなり、帰京後、同相談・法律教室に参加予定の公証人に対し、引継ぎを行いました。
 養育費支払公正証書を作成した1件を含め、相談件数は合計16件ありました。
 母島では、母島到着日の9月22日午後6時から午後8時までと、翌23日午前9時から午後1時までの合計6時間でしたが、この間、合計5件の相談があり、公正証書の作成に関連する相談も2件ありました。
 小笠原への移動手段は片道約24時間を要する約6日に1便の船便のみであり、島で暮らす人々にとって、裁判や調停等の司法サービスにアクセスすることが容易ではない上、法律問題等につき専門職に相談し、助言を受ける機会も限られており、法律・税務の様々な立場の専門家が集まって相談を受け、必要に応じて公正証書の作成その他のサービスの提供を行う相談会開催の意義は極めて大きく、長年にわたり、相談会に参加している専門家に対する島民の皆様の信頼の厚さも感じられました。東京公証人会としても、引き続き、相談会に参加していくことが重要と感じました。
 空き時間には、南島訪問など、世界自然遺産に指定された小笠原の美しい自然に触れる機会もあり、固有種に恵まれた独自の生態系とこれを守るための人々の活動を知ることができるなど、有意義な時間を過ごすことができました。

上野公証役場公証人 加藤 朋寛

神田公証役場公証人 田中 寿生

令和4年2月の小笠原諸島における公証相談

 令和4年2月11日(金)~16日(水)の5泊6日で、伊藤靖子(杉並公証役場)・互敦史(八王子公証役場)の2名で、NPO法人・司法過疎サポートネットワークが主催する、小笠原諸島における法律相談会に参加しました。
 メンバーは総勢10名で、父島班(伊藤公証人、弁護士1名、司法書士1名、税理士2名)と、母島班(互公証人、弁護士1名、司法書士1名、税理士2名)に分かれて担当しました。
 前回、前々回と同様、今回もコロナ禍の中での実施であり、参加者全員が事前にPCR検査を受けましたが、幸い全員が陰性ということで、無事開催することができました。
 2月11日午前11時に竹芝桟橋を出港した「おがさわら丸」は、24時間後の2月12日午前11時に父島に到着し、母島班は、更に「くろしお丸」に乗り換えて同日正午から2時間の船旅を経て、同日午後2時に母島に到着しました。
 父島班・母島班とも、到着日の2月12日と翌13日の二日間、相談会を開催しました。
 父島班では、全体としては、初日12日から最終日15日までの間に、継続相談や過去の相談者の新件など、会場外で対応したものを含めて14人15件の相談があり、公証役場関連では、会場を設置しての相談会が催された12日、13日にそれぞれ1件つづ公正証書作成手続きに関する一般的な説明を行い、それ以後では、いずれもNPO法人・司法過疎サポートネットワークのメンバーの方からの依頼により、14日には会場外にて公正証書の効力についての一般的な説明を1件行い、15日には、地元の金融機関に出向いて保証意思宣明公正証書作成に関する説明を行いました。いずれも公正証書の作成に直結する相談ではありませんでしたが、これらの件を通じて、小笠原特有の諸事情の一端に触れることが出来、非常に参考になりました。
 母島班では、公証役場関連では、初日の12日に遺言書の作成が1件ありましたが、翌13日は、1件の相談もありませんでした。公証役場関連以外の相談は、2日間で2件ありました。コロナ禍中での開催ということもあって低調でした。
 なお、両班とも、今回は法律相談のみであり、法律教室等は開催できませんでした。これもコロナ禍の影響によるものであり、一日も早い収束を願うばかりです。
 今回の法律相談会は、以上のとおりでしたが、長年にわたって多数回参加している他業種の方々にお聞きしたところ、通常開催の場合、多くの島民の方々が相談に訪れるとのことであり、このような取組みの必要性は高いと感じました。

杉並公証役場公証人  伊藤靖子

八王子公証役場公証人 互 敦史

父島1
父島2
母島

令和3年9月の小笠原諸島における公証相談

小笠原くらしの法律税金相談・遺言相談(第40回)は、令和3年9月21日(火)から26日(日)(船中2泊、現地3泊)の日程で行われました。参加者は合計8名(弁護士2名、司法書士3名、税理士2名、公証人1名)で、父島班(4名)と母島班(4名)とに分かれ、当職は、遺言作成の予定があったため母島班となりました。

新型コロナの新規感染者数は減少傾向にあったものの、緊急事態宣言下での訪問ということもあり、船会社から事前にPCR検査キットの送付を受け、出発前日に竹芝客船ターミナルで検体を提出して陰性であることの確認を受けることが求められました。

母島では、到着日である9月22日の午後6時から午後8時と、翌23日の午後9時から午後1時に小笠原村役場母島支所で相談会を開催し、相談件数は13件でした(父島は8件)。

当職は、公正証書遺言を2件作成しました。このうち1件については出発前に相談を受けて準備を済ませていましたが、1件は到着日の相談の際に依頼を受けて翌日に作成することが決まりました。このような場合に備えて、職印、書式の入ったUSBメモリ及び罫紙を持参していたことから、同行していた司法書士のパソコンと村役場のプリンタ(役場の方には休日出勤をお願いしました。)を借りて完成させました。

今回は、上記2件以外に相続関係の相談が全体で3件ありました。小笠原では住民の高齢化が進んでおり、公証相談の需要は益々増加することが予想されます。

期間中は快晴に恵まれ、真夏の太陽のもと、ボニンブルーの海に囲まれた美しい自然の中で、貴重な体験をすることができました。

地元の関係者の皆様や同行した先生方には大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

神田公証役場公証人 阿部 正幸

村役場母島支所
母島とカツオドリ
母島の海
その他離島の公証相談
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