
東京公証人会は、平成13年11月から、公証人がNPO法人司法過疎サポートネットワーク
「小笠原くらしの法律税金相談・法律教室」に参加するようになり、
平成16年度からは、会として組織的に公証人を小笠原諸島に派遣するようになり、
現在に至るまで、毎年、継続して、小笠原諸島において公証相談を実施しています。
平成24年2月の小笠原諸島における公証相談
平成24年2月6日から同月11日までの6日間、離島へのリーガルサービスの一環として、小笠原村の父島、母島へ当会所属の公証人2名を派遣しました。
この2名に小笠原サポートチーム(特定非営利活動法人司法過疎サポートネットワーク)のメンバー8名(弁護士3名、司法書士3名、税理士2名)他1名を加えた総勢11名で、小笠原村地域福祉センターにおいて「くらしの相談会」を実施しました。
小笠原サポートチームの「くらしの相談会」は、平成12年から毎年2回ずつ行われており、今回で22回目を数えます。小笠原には裁判所や法務局がないばかりか、法曹資格を持った者も常駐しておりません。それでこの相談会はすっかり村民の間に定着し、村役場や商工会議所の関係者から頼りにされています。公証人が参加するようになったのは平成13年からで、これまでに、遺言・相続・離婚等の法律相談や講演の実施のほか、公正証書の作成、私文書の認証、確定日付の付与などの公証業務を行ってきました。
派遣した公証人は、今回も、父島、母島と分担して相談会を実施し、遺言等の公正証書を作成したほか、遺言、相談等の法律相談(無料)に関与しました。
このうち遺言を例にとると、特に小笠原のような離島では、自筆証書による遺言を残していたとしても、保管者・発見者が検認を受けるために東京家庭裁判所まで出かけるのは一苦労。また、相続人等が全国に散在していて検認手続が進められないことも考えられ、公正証書遺言を残しておく必要性は高く、結構需要もあるのです。これからも、公証人派遣の意義は大いにありです。 次回の小笠原への公証人派遣は平成24年7月に予定しています。
杉並公証役場公証人 内尾 武博
池袋公証役場公証人 吉田 博視


平成23年6月の小笠原諸島の世界自然遺産への登録
小笠原諸島は、平成23年6月に、我が国で4番目の世界自然遺産として登録されました。海によって隔たれた小さな島の小笠原で独自の進化を遂げた固有種の割合が高く、特に陸産貝類(カタツムリの仲間)や植物において、進化の過程の貴重な証拠を提供していることなどが高く評価されたものです。

