令和8年7月の小笠原諸島における相談会への参加報告
令和8年7月8日(水)から同月13日(月)の間、第50回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室が開催されました。
今回の相談件数は、
父島 19件
母島 7件
計 26件
内訳は、
①相続・遺言 9件
(うち、公正証書遺言作成4件・信託契約公正証書作成1件)
②離婚 1件
③不動産関係 4件
④相隣関係 1件
⑤会社関係 1件
⑥労働関係 1件
⑦税金関係 7件
⑧その他 2件
でした。
小笠原村は、父島(人口約2000人)と母島(同約450人)及びその周辺の無人島で構成され、定期船で竹芝桟橋から父島まで片道24時間、母島まで更に2時間を要します。少ないながらも遺言、任意後見、離婚等の法的サービスの需要もある一方で、島内の士業者は土地家屋調査士1名しかおられません。その中で、都内の弁護士、税理士、司法書士、そして公証人で構成される小笠原サポート専門家グループが主催して、約25年間にわたり夏冬年2回の本相談会が実施されてきたもので、今回、村役場から感謝状の表彰を受けるなど、住民からも一定の評価を受けているものです。
今回、公証人2名で手分けして、父島の相談会場である地域福祉センターで4通、父島の相談者宅で1通の合計5通を作成しました。そのやり方は、渡航前に上記専門家グループの窓口となっている弁護士から、相談者の連絡先や相談内容が知らされることから、事前に相談者と連絡をとって、原稿データを作成しておき、現地で相談者と会って、専用パソコンを使用して公正証書を作成するというものですが、注意すべき点は、相談会場となる地域福祉センターはモバイルWi-Fiの受信状態がよくないため、オンラインによる作成が難しいということです。幸い、父島における宿泊先は受信状況は悪くなかったため、早朝、会場となる地域福祉センターに行く前に宿泊先で、モバイルWi-Fiを使ってオンラインで公正証書の番号等の登録を行っておき、会場ではモバイルWi-Fiを使わずにオフラインのまま(インターネットにつながずに)列席者の署名まで終了させて公正証書の原本を作成するという方法により事なきを得ました。同様に今回の相談者宅においても、オフラインによる作成を行っています。
また、小笠原諸島の夏は冬と比べて波が穏やかとされているのですが、今回は、台風の影響で晴天ではあったものの波が荒かったため、父島・母島間の定期船の出航が危ぶまれました。幸いに波の穏やかな時間をついて渡航でき、母島での相談会の開催もできましたが、状況によっては開催が困難になる可能性があることも留意しておく必要があります。
今回の相談会への参加は、植村が2回目、田中は初めてとなりますが、住民の方々から感謝の言葉をかけていただけるなど、非常に意義を感じることができ、機会があればまた是非参加したいと思います。
板橋公証役場 公証人 植村 誠
昭和通り公証役場 公証人 田中 芳樹


